名曲で学ぶ音楽理論(米津玄師「Lemon」編)

この記事を読むのに必要な時間は約 6 分です。

アーティスト:米津玄師
作詞・作曲: 米津玄師

「名曲で学ぶ音楽理論」シリーズでは、名曲の中で音楽理論がどのように使われているかを学ぶことができます。


今回は、米津玄師の名曲「Lemon」のコード分析を行います。

米津玄師 MV「Lemon」

「Lemon」では、以下の音楽理論を学ぶことができます。

  • ディミニッシュコード
  • セカンダリードミナントコード
  • 偽終止
  • モーダルインターチェンジコード
  • 転調
  • オンコード

では、分析していきましょう。

あわせてコチラもどうぞ
名曲で学ぶ音楽理論(米津玄師「パプリカ」編)

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Aメロ

keyは「A♭マイナー」ですが、簡単のため平行調の「Bメジャー」で考えます。

|A♭m F#|E B|E B|Ddim E♭
→|Ⅵm Ⅴ|Ⅳ Ⅰ|Ⅳ Ⅰ|♭Ⅲdim 
(夢ならば~)

|A♭m F#|E B|E B|F# B
→|Ⅵm Ⅴ|Ⅳ Ⅰ|Ⅳ Ⅰ|Ⅴ Ⅰ
(忘れた物を~)

|A♭m F#|E B|E B|Ddim E♭
→|Ⅵm Ⅴ|Ⅳ Ⅰ|Ⅳ Ⅰ|♭Ⅲdim 
(戻らない~)

|A♭m F#|E B|E B|E♭ A♭m
→|Ⅵm Ⅴ|Ⅳ Ⅰ|Ⅳ Ⅰ| Ⅵm
(言えずに~)

コード説明

♭Ⅲdim

ディミニッシュコード(♭Ⅲdim)はⅦ7の代理コードです。

ディミニッシュコードについてはコチラ↓
【誰でも分かる!】ディミニッシュコードの2つの使い方


そしてⅦ7は次のコードⅢに対するセカンダリードミナントコードコードです。

セカンダリードミナントコードについてはコチラ↓
【誰でも分かる!】「セカンダリードミナントコード」の3つの使い方

次のコードⅥmに対するセカンダリードミナントコードコードです。

Bメロ

keyはA♭マイナーですが、簡単のため平行調のBメジャーで考えます。

|D♭m7 A♭m|F# B
→|Ⅱm7 Ⅵm|Ⅴ Ⅰ
(きっとこれ以上~)

|D♭m7 A♭m|E F# B
→|Ⅱm7 Ⅵm|Ⅳ Ⅴ Ⅰ
(ありはしないと~)

Bメロのコード進行は、ダイアトニックコードのみなので解説は省きます。

サビ

keyは「A♭マイナー」ですが、簡単のため平行調の「Bメジャー」で考えます。

|E B|F# A♭m|E B|F# E♭
→|Ⅳ Ⅰ|Ⅴ Ⅵm|Ⅳ Ⅰ|Ⅴ 
(あの日の悲しみさえ~)

|E B|B♭m7-5 E♭ A♭m
→|Ⅳ Ⅰ|Ⅶm7-5 Ⅲ Ⅵm
(胸に残り離れない~)

|D♭m A♭m|E F# Fm7-5
→|Ⅱm Ⅵm|Ⅳ Ⅴ #Ⅳm7-5
(雨が降りやむまでは~)

|D♭m A♭m|E F# B (E♭)
→|Ⅱm Ⅵm|Ⅳ Ⅴ Ⅰ ()
(今でもあなたは~)

コード説明

Ⅵmに対するセカンダリードミナントコードコードです。

セカンダリードミナントコードについてはコチラ↓
【誰でも分かる!】「セカンダリードミナントコード」の3つの使い方

ただし実際はⅥmに進行せず、Ⅳに偽終止しています。

偽終止とはドミナントからトニックに行かないコード進行のことです。
偽終止によってコード進行に意外性を与えることができます。

#Ⅳm7-5

リディアンスケールからのモーダルインターチェンジコード(借用和音)です。

モーダルインターチェンジコードについてはコチラ↓
モーダルインターチェンジコード(借用和音)一覧

Cメロ

keyは「Fマイナー」ですが、簡単のため平行調の「A♭メジャー」で考えます。

|Fm D♭|E♭ A♭|D♭ A♭|E♭ A♭
→|Ⅵm Ⅳ|Ⅴ Ⅰ|Ⅳ Ⅰ|Ⅴ Ⅰ
(自分が思うより~)

|Fm D♭|E♭ A♭|D♭ A♭|E♭ A♭
→|Ⅵm Ⅳ|Ⅴ Ⅰ|Ⅳ Ⅰ|Ⅴ Ⅰ
(あれから思うように~)

|Fm D♭|E♭ A♭|D♭ A♭|E♭ A♭
→|Ⅵm Ⅳ|Ⅴ Ⅰ|Ⅳ Ⅰ|Ⅴ Ⅰ
(あんなに側に~)

|Fm D♭|E♭ A♭|D♭ A♭|F#
→|Ⅵm Ⅳ|Ⅴ Ⅰ|Ⅳ Ⅰ|♭Ⅶ
(とても忘れられない~)

|D♭|D♭m D♭monF#
|Ⅳ|Ⅳm Ⅳmon♭Ⅶ


Cメロで「Bメジャー」から「A♭メジャー」に短3度下転調しています。

短3度下の調へは転調しやすいです。


またこれはドミナントコードを使った転調です。

Cメロの直前のサビの最後のコードはⅢ(BメジャーならE♭)です。
これをA♭メジャーにおけるドミナントコードⅤと見立てて転調を行っています。

「短3度下転調」「ドミナントコードを使った転調」についてはコチラ↓
「転調の方法」と「転調パターン一覧」

 

コード説明

♭Ⅶ

エオリアンスケール(同主調)からのモーダルインターチェンジコード(借用和音)です。

モーダルインターチェンジコードについてはコチラ↓
【音楽理論】モーダルインターチェンジコード(M.I.C)一覧
Ⅳmエオリアンスケール(同主調)からのモーダルインターチェンジコード(借用和音)です。
Ⅳm on♭Ⅶ

Ⅳm7の11thの音を最低音にしたオンコードです

オンコードについてはコチラ↓
【誰でも分かる!】オンコードの「作り方」と「3つの使い方」

度の意味についてはコチラ↓
簡単にわかる!「音高」「音程」「度数」の違い

Cメロからサビに行くとき「A♭メジャー」から「Bメジャー」に短3度上転調します。

短3度上の調へは転調しやすいです。

以下はCメロの最後のコード進行です

 D♭mD♭monF#
A♭メジャーⅣmⅣm on♭Ⅶ
BメジャーⅡmⅡm onⅤ

A♭メジャーにおける「Ⅳm→Ⅳm on♭Ⅶ」というコード進行を
Bメジャーにおける「Ⅱm→Ⅱm onⅤ」と見立てて転調を行っています。

これはピボットコードとドミナントコードを使った転調です。

「短3度上転調」「ピボットコード」「ドミナントコードを使った転調」についてはコチラ↓
「転調の方法」と「転調パターン一覧」

 

Ⅱm onⅤはドミナントコードとして使用できます。詳しくはコチラ↓
【誰でも分かる!】オンコードの「作り方」と「3つの使い方」


以上、ご覧いただきありがとうございました。

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