このシリーズでは名曲の中で音楽理論がどのように使われているかを学ぶことができます。
今回は、aikoの名曲「いつ逢えたら」のコード分析を行います。
「いつ逢えたら」では、以下のコードの使い方を学ぶことができます。
- セカンダリードミナントコード
- オンコード
- 裏コード
- 転調
- モーダルインターチェンジコード（借用和音）
- マイナーセブンスフラットファイブ
それでは分析していきましょう。
ここではダイアトニックコードを理解していることが前提です。
ダイアトニックコードを知らない方は以下で勉強しましょう。
ダイアトニックコードとは？コード進行の作り方
コード進行
【イントロ】
｜E♭M7 F7｜Gm7
｜E♭M7 F7｜B♭M7 D7
｜E♭M7 F7｜Gm7 F7
｜E♭M7｜E♭onF
【Aメロ】
｜E♭M7｜Dm7｜Cm7｜B♭M7
（頭の中で〜）
｜E♭M7｜Dm7
（明日世界が〜）
｜Cm7 Cm7onF｜B♭M7 D7onE
（変わって〜）
｜E♭M7｜Dm7｜Cm7｜B♭M7
（あなたに〜）
｜Cm7｜D7｜E♭M7｜B♭onF G7
（書き直した〜）
【Bメロ】
｜C｜Em7｜Am7｜〃
（まぶたの裏で〜）
｜Dm7｜Em7
（戻れなく〜）
｜FM7 G7｜A♭M7 B♭7
（眠りにつく〜）
｜C｜E7｜Am7｜Gm7 C7
（心強い〜）
｜FM7 Em7｜Dm7 FonG
（とにかく〜）
【間奏】
｜Em7-5｜A7｜Dm7｜Gm7
｜Em7-5｜E♭m7
｜Cm7 Dm7｜E♭M7 E♭onF
【サビ】
｜B♭｜FonA｜Gm7｜F7
（いつ逢えたら〜）
｜Em7-5 E♭m7｜Dm7 D♭7
（いつ帰ったら〜）
｜Cm7｜F7
（脱ぎ捨てようか〜）
｜Cm7onB♭｜〃｜Dm7onC｜〃
（あたしの〜）
｜E♭M7｜E♭onF（｜Dm7｜G7）
（心は〜）
コード進行分析
イントロ
キーはB♭メジャーです。
｜E♭M7 F7｜Gm7
｜ⅣM7 Ⅴ7｜Ⅵm7
｜E♭M7 F7｜B♭M7 D7
｜ⅣM7 Ⅴ7｜ⅠM7 Ⅲ7
｜E♭M7 F7｜Gm7 F7
｜ⅣM7 Ⅴ7｜Ⅵm7 Ⅴ7
｜E♭M7｜E♭onF
｜ⅣM7｜ⅣonⅤ
| コード | 説明 |
|---|---|
| Ⅲ7 | Ⅵ○に対するセカンダリードミナントコードです。 セカンダリードミナントコードについてはコチラ↓ |
| ⅣonⅤ | Ⅳの9thの音を最低音にしたオンコードです。 ドミナントコード（V7）の代理コードとして使用できます。オンコードについてはコチラ↓ オンコードとは？3つの使い方 オンコード一覧 |
Aメロ
キーはB♭メジャーです。
｜E♭M7｜Dm7｜Cm7｜B♭M7
｜ⅣM7｜Ⅲm7｜Ⅱm7｜ⅠM7
（頭の中で〜）
｜E♭M7｜Dm7
｜ⅣM7｜Ⅲm7
（明日世界が〜）
｜Cm7 Cm7onF｜B♭M7 D7onE
｜Ⅱm7 Ⅱm7onⅤ｜ⅠM7 Ⅲ7on#Ⅳ
（変わって〜）
｜E♭M7｜Dm7｜Cm7｜B♭M7
｜ⅣM7｜Ⅲm7｜Ⅱm7｜ⅠM7
（あなたに〜）
｜Cm7｜D7｜E♭M7｜B♭onF G7
｜Ⅱm7｜Ⅲ7｜ⅣM7｜ⅠonⅤ Ⅵ7
（書き直した〜）
| コード | 説明 |
|---|---|
| Ⅱm7onⅤ | Ⅱm7の11thの音を最低音にしたオンコードです。 ドミナントコード（V7）の代理コードとして使用できます。オンコードについてはコチラ↓ オンコードとは？3つの使い方 オンコード一覧 |
| Ⅲ7on#Ⅳ | Ⅲの9thの音を最低音にしたオンコードです。 #Ⅳ7の代理コードとして使用できます。オンコードについてはコチラ↓ オンコードとは？3つの使い方 オンコード一覧#Ⅳ7はⅠ7の裏コードです。裏コードについてはコチラ↓ 裏コードとは？3つの使い方 Ⅰ7はⅣ○に対するセカンダリードミナントコードです。 セカンダリードミナントコードについてはコチラ↓ |
| Ⅲ7 | Ⅵ○に対するセカンダリードミナントコードです。 セカンダリードミナントコードについてはコチラ↓ |
| ⅠonⅤ | Ⅰの5度の音を最低音にしたオンコードです。 度の意味についてはコチラ↓ オンコードについてはコチラ↓ |
| Ⅵ7 | Ⅱ○に対するセカンダリードミナントコードです。 セカンダリードミナントコードについてはコチラ↓ |
AメロからBメロにかけてドミナントコード（G7）を使った転調が行われています。
転調については以下をご覧ください
Bメロ
キーはCメジャーです。
｜C｜Em7｜Am7｜〃
｜Ⅰ｜Ⅲm7｜Ⅵm7｜〃
（まぶたの裏で〜）
｜Dm7｜Em7
｜Ⅱm7｜Ⅲm7
（戻れなく〜）
｜FM7 G7｜A♭M7 B♭7
｜ⅣM7 Ⅴ7｜♭ⅥM7 ♭Ⅶ7
（眠りにつく〜）
｜C｜E7｜Am7｜Gm7 C7
｜Ⅰ｜Ⅲ7｜Ⅵm7｜Ⅴm7 Ⅰ7
（心強い〜）
｜FM7 Em7｜Dm7 FonG
｜ⅣM7 Ⅲm7｜Ⅱm7 ⅣonⅤ
（とにかく〜）
| コード | 説明 |
|---|---|
| ♭ⅥM7 | エオリアンモードからのモーダルインターチェンジコード（借用和音）です。 モーダルインターチェンジコードについてはコチラ↓ |
| ♭Ⅶ7 | エオリアンモードからのモーダルインターチェンジコード（借用和音）です。 モーダルインターチェンジコードについてはコチラ↓ |
| Ⅲ7 | Ⅵ○に対するセカンダリードミナントコードです。 セカンダリードミナントコードについてはコチラ↓ |
| Ⅴm7 | ミクソリディアンモードからのモーダルインターチェンジコード（借用和音）です。 モーダルインターチェンジコードについてはコチラ↓ |
| Ⅰ7 | ミクソリディアンモードからのモーダルインターチェンジコード（借用和音）です。 モーダルインターチェンジコードについてはコチラ↓ |
| ⅣonⅤ | Ⅳの9thの音を最低音にしたオンコードです。 ドミナントコード（V7）の代理コードとして使用できます。オンコードについてはコチラ↓ オンコードとは？3つの使い方 オンコード一覧 |
Bメロから間奏にかけて完全4度上の調へ直接転調が行われています。
完全4度上の調へは転調しやすいです。
転調については以下をご覧ください
間奏
キーはFメジャーです。
｜Em7-5｜A7｜Dm7｜Gm7
｜Ⅶm7-5｜Ⅲ7｜Ⅵm7｜Ⅱm7
キーはB♭メジャーです。
｜Em7-5｜E♭m7
｜#Ⅳm7-5｜Ⅳm7
｜Cm7 Dm7｜E♭M7 E♭onF
｜Ⅱm7 Ⅲm7｜ⅣM7 ⅣonⅤ
| コード | 説明 |
|---|---|
| Ⅶm7-5 | ダイアトニックコードのマイナーセブンスフラットファイブです。 マイナーセブンスフラットファイブについてはコチラ↓ |
| Ⅲ7 | Ⅵ○に対するセカンダリードミナントコードです。 セカンダリードミナントコードについてはコチラ↓ |
| #Ⅳm7-5 | リディアンモードからのモーダルインターチェンジコード（借用和音）です。 モーダルインターチェンジコードについてはコチラ↓ |
| Ⅳm7 | エオリアンモードからのモーダルインターチェンジコード（借用和音）です。 モーダルインターチェンジコードについてはコチラ↓ |
| ⅣonⅤ | Ⅳの9thの音を最低音にしたオンコードです。 ドミナントコード（V7）の代理コードとして使用できます。オンコードについてはコチラ↓ オンコードとは？3つの使い方 オンコード一覧 |
間奏の途中で完全4度上の調へピボットコードを使った転調が行われています。
完全4度上の調へは転調しやすいです。
転調については以下をご覧ください
サビ
キーはB♭メジャーです。
｜B♭｜FonA｜Gm7｜F7
｜Ⅰ｜ⅤonⅦ｜Ⅵm7｜Ⅴ7
（いつ逢えたら〜）
｜Em7-5 E♭m7｜Dm7 D♭7
｜#Ⅳm7-5 Ⅳm7｜Ⅲm7 ♭Ⅲ7
（いつ帰ったら〜）
｜Cm7｜F7
｜Ⅱm7｜Ⅴ7
（脱ぎ捨てようか〜）
｜Cm7onB♭｜〃｜Dm7onC｜〃
｜Ⅱm7onⅠ｜〃｜Ⅲm7onⅡ｜〃
（あたしの〜）
｜E♭M7｜E♭onF（｜Dm7｜G7）
｜ⅣM7｜ⅣonⅤ（｜Ⅲm7｜Ⅵ7）
（心は〜）
| コード | 説明 |
|---|---|
| ⅤonⅦ | Ⅴの3度の音を最低音にしたオンコードです。 度の意味についてはコチラ↓ オンコードについてはコチラ↓ |
| #Ⅳm7-5 | リディアンモードからのモーダルインターチェンジコード（借用和音）です。 モーダルインターチェンジコードについてはコチラ↓ |
| Ⅳm7 | エオリアンモードからのモーダルインターチェンジコード（借用和音）です。 モーダルインターチェンジコードについてはコチラ↓ |
| ♭Ⅲ7 | Ⅵ7の裏コードです。 裏コードについてはコチラ↓
Ⅵ7はⅡm7に対するセカンダリードミナントコードです。 セカンダリードミナントコードについてはコチラ↓ |
| Ⅱm7onⅠ | Ⅱm7の7度の音を最低音にしたオンコードです。 度の意味についてはコチラ↓ オンコードについてはコチラ↓ |
| Ⅲm7onⅡ | Ⅲm7の7度の音を最低音にしたオンコードです。 度の意味についてはコチラ↓ オンコードについてはコチラ↓ |
| ⅣonⅤ | Ⅳの9thの音を最低音にしたオンコードです。 ドミナントコード（V7）の代理コードとして使用できます。オンコードについてはコチラ↓ オンコードとは？3つの使い方 オンコード一覧 |
| Ⅵ7 | Ⅱ○に対するセカンダリードミナントコードです。 セカンダリードミナントコードについてはコチラ↓ |
以上、ご覧いただきありがとうございました。
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