オンコードって何?
オンコードはどうやって使うの?
この記事では「オンコードとは何か」「オンコードの3つの使い方」「オンコードを使った名曲」を紹介しています。
この記事を読めば、オンコードを自由に作ったり使ったりできるようになり、作曲・編曲・耳コピの能力が上がります。
この記事はダイアトニックコードを理解していることが前提です。
知らない方は以下で勉強しましょう。
オンコードの一覧については以下をご覧ください。
オンコードとは
オンコードとはコードの最低音をルート音とは異なる音にしたコードです。
オンコードの表記方法は以下です。
- コード名 on 最低音
- コード名 / 最低音
後者の表記からスラッシュコードとも呼ばれます。
例えばCメジャーコードの最低音をルート音とは異なるEにするとConEというオンコードになります。
オンコードには以下の2種類があります。
- 転回形
- ハイブリッドコード
それぞれについて解説しましょう!
転回形
転回形とはコードの最低音をルート音以外の構成音にしたコードです。
例えばCメジャーコードの構成音はC、E、Gです。
Cメジャーコードの最低音をルート音以外の構成音であるEにするとConEという転回形になります。
また転回形に対して、コードの最低音をルート音にしたコードを基本形といいます。
コード | 説明 |
---|---|
基本形 | 最低音=ルート音 |
転回形 | 最低音≠ルート音 |
転回形には以下の3種類があります。
転回形 | 説明 | 例(基本形がCM7の場合) |
---|---|---|
第1転回形 | 基本形の最低音を1オクターブあげたコード | CM7onE |
第2転回形 | 第1転回形の最低音を1オクターブあげたコード | CM7onG |
第3転回形 | 第2転回形の最低音を1オクターブあげたコード | CM7onB |
ハイブリッドコード
ハイブリッドコードとはコードの最低音を構成音ではない音にしたコードです。
例えばCメジャーコードの構成音はC、E、Gです。
Cメジャーコードの最低音を構成音ではないBにするとConBというハイブリッドコードになります。
オンコードの使い方
オンコードの使い方には以下の3種類があります。
- 低音のペダルポイントを作るために使う
- ベース音を滑らかに上昇・下降させるために使う
- ドミナントコードの代わりに使う
使い方①:低音のペダルポイントを作るためにオンコードを使う
コード進行の中に低音のペダルポイントを作るために、オンコードを使うことができます。
ペダルポイントとはコード進行の中で持続している音のことです。
例えば、以下のAメジャーキーのコード進行を考えます。
|Aadd9|Aadd9|B|B
→|Ⅰadd9|Ⅰadd9|Ⅱ|Ⅱ
|Dm|Dm|Aadd9|Aadd9
→|Ⅳm|Ⅳm|Ⅰadd9|Ⅰadd9
青色のコード進行について、オンコードを使ってAを最低音にすると以下のコード進行になります。
|Aadd9|Aadd9|BonA|BonA
→|Ⅰadd9|Ⅰadd9|ⅡonⅠ|ⅡonⅠ
|DmonA|DmonA|Aadd9|Aadd9
→|ⅣmonⅠ|ⅣmonⅠ|Ⅰadd9|Ⅰadd9
コード進行の中にAの音で低音のペダルポイントを作ることができました。
ちなみにこれは、PRINCESS PRINCESSの「世界でいちばん熱い夏」のAメロのコード進行です。
使い方②:ベース音を滑らかに上昇・下降させるためにオンコードを使う
コード進行のベース音を滑らかに(=半音ずつ、またはスケールに沿って)上昇・下降させるためにオンコードを使うことができます。
ベース音を上昇させる場合
例えば、以下のGメジャーキーのコード進行を考えます。
|G|G|D|Bm7
→|Ⅰ|Ⅰ|Ⅴ|Ⅲm7
|Em7|E♭6
→|Ⅵm7|♭Ⅵ6
|G B|Em7 D
→|Ⅰ Ⅲ|Ⅵm7 Ⅴ
青色のコード進行について、オンコードを使ってベース音を上昇させると、以下のコード進行になります。
|G|G|D|Bm7
→|Ⅰ|Ⅰ|Ⅴ|Ⅲm7
|Em7|E♭6
→|Ⅵm7|♭Ⅵ6
|GonD BonE♭|Em7 D
→|ⅠonⅤ Ⅲon♭Ⅵ|Ⅵm7 Ⅴ
ベース音がD→E♭→Eと半音ずつ上昇していき、滑らかなコード進行になります。
ちなみにこれは、aikoの「あたしの向こう」のAメロのコード進行です。
ベース音を下降させる場合
以下のGメジャーキーのコード進行を考えます。
|G|D|Em|G
→|Ⅰ|Ⅴ|Ⅵm|Ⅰ
|C|G|Am|D
→|Ⅳ|Ⅰ|Ⅱm|Ⅴ
青色のコード進行について、オンコードを使ってベース音を下降させると、以下のコード進行になります。
|G|DonF#|Em|GonD
→|Ⅰ|ⅤonⅦ|Ⅵm|ⅠonⅤ
|C|GonB|Am|D
→|Ⅳ|ⅠonⅢ|Ⅱm|Ⅴ
ベース音がG→F#→E→D→C→B→AとGメジャースケールに沿って下降していき、滑らかなコード進行になります。
使い方③:ドミナントコードの代わりにオンコードを使う
ドミナントコード(Ⅴ)の代わりにオンコードである「ⅡmonⅤ」や「ⅣonⅤ」を使うことができます。
ここで先ほどのGメジャーキーのコード進行をもう一度見てみましょう。
|G|DonF#|Em|GonD
→|Ⅰ|ⅤonⅦ|Ⅵm|ⅠonⅤ
|C|GonB|Am|D
→|Ⅳ|ⅠonⅢ|Ⅱm|Ⅴ
GメジャーキーにおけるドミナントコードD(Ⅴ)の代わりにオンコードを使うと、以下のコード進行になります。
|G|DonF#|Em|GonD
→|Ⅰ|ⅤonⅦ|Ⅵm|ⅠonⅤ
|C|GonB|Am|AmonD
→|Ⅳ|ⅠonⅢ|Ⅱm|ⅡmonⅤ
ちなみにこれは、松任谷由美の「守ってあげたい」のサビのコード進行です。
オンコードを使用した名曲
コチラでオンコードを使った名曲の分析などを紹介しています。
まとめ
- オンコード(スラッシュコード)とはコードの最低音をルート音とは異なる音にしたコード
- オンコードの表記方法は「コード名 on 最低音」または「コード名 / 最低音」
- オンコードには「転回形」と「ハイブリッドコード」の2種類がある
- 転回形とはコードの最低音をルート音以外の構成音にしたコード
- ハイブリッドコードとはコードの最低音を構成音ではない音にしたコード
- オンコードの使い方は「低音のペダルポイントを作るため」「ベース音を滑らかに上昇・下降させるため」「ドミナントコードの代わり」の3種類
以上、ご覧いただきありがとうございました。
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