モーダルインターチェンジコードって何?
モーダルインターチェンジコードはどうやって使うの?
この記事では「モーダルインターチェンジコードとは」「モーダルインターチェンジコードの使い方」「モーダルインターチェンジコードを使った名曲」を紹介しています。
この記事はダイアトニックコードを理解していることが前提です。
ダイアトニックコードとは?コード進行の作り方
モーダルインターチェンジコードとは
モーダルインターチェンジとは、パラレルモードを変えることです。
例えば「Cアイオニアンモード(Cメジャーキー)」から「Cミクソリディアンモード」に変わることをモーダルインターチェンジといいます。
パラレルモードについては以下をご覧ください。
【音楽理論】モードとは?モード一覧
ダイアトニックコードを作るように、パラレルモードからコードを作ることができます。
ダイアトニックコードの作り方については以下をご覧下さい。
ダイアトニックコードとは?コード進行の作り方
モーダルインターチェンジコード(借用和音)とは、モーダルインターチェンジで変わったパラレルモードから借りてきた和音のことです。
例えばCメジャーキー(Cアイオニアンモード)のときに、Cミクソリディアンモードのモーダルインターチェンジコードである「Gm7」を借りてくることができます。
モーダルインターチェンジコードの一覧については以下をご覧ください。
モーダルインターチェンジコード(借用和音)一覧
モーダルインターチェンジコードの使い方
使用法
モーダルインターチェンジコードは適当につなげていくだけでも使うことができます。
そのため、ここでは既存曲をモーダルインターチェンジコードを使ってアレンジする方法を紹介します。
例えば以下の既存曲を考えます。
キー | メロディ |
---|---|
Cメジャー | ドレミファソラシド |
これを以下の手順でモーダルインターチェンジを使ってアレンジしていきます。
1)既存曲のメロディを分解する。
例えばメロディを「ドレ」「ミファ」「ソラシド」の3つに分解します。
2)分解したメロディがどのパラレルモードに属するのか確認する。
例えば「ド(C)、レ(D)」の音を含むパラレルモードは、「Cアイオニアン」「Cドリアン」「Cリディアン」「Cミクソリディアン」「Cエオリアン」の5つです。
パラレルモード | スケール |
---|---|
Cアイオニアン | C、D、E、F、G、A、B |
Cドリアン | C、D、E♭、F、G、A、B♭ |
Cフリジアン | C、D♭、E♭、F、G、A♭、B♭ |
Cリディアン | C、D、E、F#、G、A、B |
Cミクソリディアン | C、D、E、F、G、A、B♭ |
Cエオリアン | C、D、E♭、F、G、A♭、B♭ |
Cロクリアン | C、D♭、E♭、F、F#、A♭、B♭ |
3)分解したメロディに対して、分解したメロディが属するパラレルモードのモーダルインターチェンジコードを当てはめていって、合うものを探す。
例えば「ドレ」に「Cドリアン」の「E♭M7」を当てはめてみると合います。
パラレルモード | モーダルインターチェンジコード | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
Cアイオニアン | CM7 (ⅠM7) | Dm7 (Ⅱm7) | Em7 (Ⅲm7) | FM7 (ⅣM7) | G7 (Ⅴ7) | Am7 (Ⅵm7) | Bm7-5 (Ⅶm7-5) |
Cドリアン | Cm7 (Ⅰm7) | Dm7 (Ⅱm7) | E♭M7 (♭ⅢM7) | F7 (Ⅳ7) | Gm7 (Ⅴm7) | Am7-5 (Ⅵm7-5) | B♭M7 (♭ⅦM7) |
Cフリジアン | Cm7 (Ⅰm7) | D♭M7 (♭ⅡM7) | E♭7 (♭ⅢM7) | Fm7 (Ⅳm7) | Gm7-5 (Ⅴm7-5) | A♭M7 (♭ⅥM7) | B♭m7 (♭Ⅶm7) |
Cリディアン | CM7 (ⅠM7) | D7 (Ⅱ7) | Em7 (Ⅲm7) | F#m7-5 (#Ⅳm7-5) | GM7 (ⅤM7) | Am7 (Ⅵm7) | Bm7 (Ⅶm7) |
Cミクソリディアン | C7 (Ⅰ7) | Dm7 (Ⅱm7) | Em7-5 (Ⅲm7-5) | FM7 (ⅣM7) | Gm7 (Ⅴm7) | Am7 (Ⅵm7) | B♭M7 (♭ⅦM7) |
Cエオリアン | Cm7 (Ⅰm7) | Dm7-5 (Ⅱm7-5) | E♭M7 (♭ⅢM7) | Fm7 (Ⅳm7) | Gm7 (Ⅴm7) | A♭M7 (♭ⅥM7) | B♭7 (♭Ⅶ7) |
Cロクリアン | Cm7-5 (Ⅰm7-5) | D♭M7 (♭ⅡM7) | E♭m7 (♭Ⅲm7) | Fm7 (Ⅳm7) | G♭M7 (Ⅴ♭M7) | A♭7 (♭Ⅵ7) | B♭m7 (♭Ⅶm7) |
4)残りの分解したメロディに対して2)3)を行う
このときコードのつながりも考慮します。コードのつながりを考慮して選択したモーダルインターチェンジコードがメロディに合わなかった場合はメロディを修正することも考えます。
注意:この方法はあくまで一例です。
使用例
それではモーダルインターチェンジを使って、皆さんご存知の「かえるのうた」をアレンジしてみましょう!
以下はオーソドックスな「かえるのうた」のコード進行です。
|C|C|C|G|C|C|C|G C
このコード進行を2通りにアレンジしてみます。
例①
以下のコード進行にアレンジすることができました。
|C|CM7|Gm7|C7|FM7|Fm7|Em7 E♭M7|Dm7 D♭M7 CM7
ここでは前述の使用法に従って以下のように考えてみました。
歌詞 | 分解した メロディ | メロディが属する パラレルモード※1 | 当てはめたモーダルインターチェンジコード (カッコ内は由来するパラレルモード) |
---|---|---|---|
かえるの | ドレミファ | ア、ミ | C(ア、ミ) |
うたが | ミレド | ア、リ、ミ | CM7(ア、リ) |
きこえて | ミファソラ | ア、ミ | Gm7(ミ) |
くるよ | ソファミ | ア、ミ | C7(ミ) |
ぐゎぐゎ | ドド | すべてのモード | FM7(ア、ミ) |
ぐゎぐゎ | ドド | すべてのモード | Fm7(フ、エ、ロ) |
げろげろ | ドドレレ | ア、ド、リ、ミ、エ | Em7(ア、リ) |
げろげろ | ミミファファ | ア、ミ | E♭M7(ド、フ、エ、ロ)※2 |
ぐゎ | ミ | ア、リ、ミ | Dm7(ア、ミ) |
ぐゎ | レ | ア、ド、リ、ミ、エ | D♭M7(フ、ロ)※2 |
ぐゎ | ド | すべてのモード | CM7(ア、ミ) |
※2:青色は例外です。コード進行の流れを考慮して使用したコードです。
例②
他にもこんなアレンジが考えられます。
|FM7 Gm7|Am7 Dm7|Cm7 F7|B♭M7 E♭7
|Dm7 Gm7|Cm7 F7|E♭M7 Dm7|Cm7 F7 CM7
モーダルインターチェンジを使用した名曲
コチラでモーダルインターチェンジを使った名曲の分析などを紹介しています。
以上、ご覧いただきありがとうございました。
コメント
こんにちは!
聞こえてくるよー
の
聞こ
の部分はCmin7で
E.Fのメロディを選択しているけど
Cmin7は
ドリアン
フリジアン
エオリアン
にしか存在しませんが
どれも
E♭が存在するモードです。
何故Cmin7時に
Eのメロディを選択しているのでしょうか?
疑問に思ったので
ご回答お願いいたします
はじめまして、たまさん!
ブログ読んでいただきありがとうございます。
おっしゃる通りです。
この部分はブログで紹介した方法の例外になっていますね。
すいません。。。
なぜE,Fのメロディの部分にCm7を当てはめたかについてですが、一言でいうと流れです。
つまりE,Fのメロディまでのコード進行(FM7→Gm7→Am7→Dm7)からつながりそうなコードを選んだということです。
ちなみに
EとDm7を同時にならすとD7(#9)の響きになりEとCm7を同時にならすとC7(#9)の響きになり、つづくF7へのセカンダリードミナントコードになっていると解釈しました。これで回答になっていますでしょうか?
なるほどです!
シンプルに質問したいんですが
Cmin7のときは
E鳴らしちゃダメなんじゃないですか?
絶対アボイドになるかと思うのですが
すいません。まず先ほどのコメントの訂正をさせてください。
誤:ちなみにEとDm7を同時にならすとD7(#9)の響きになり
正:ちなみにEとCm7を同時にならすとC7(#9)の響きになり
そうですよね。僕も質問されて「アボイドだ!」と思いました笑
ですのでEとCm7がなっているときはC7(#9)の響きになっていると解釈しました。
こうするとE♭とEが共存できます。
ありがとうございました