「転調の方法」と「転調パターン一覧」

「転調って何?」
「転調と移調って何がちがうの?」
「転調ってどうやるの?」

最初のうちは転調って何なのかよく分からないですよね。

今回は転調についてできるだけ簡単に説明します。

この記事を読めば、転調に関するあなたの疑問は解消されます。

それでは始めましょう!

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転調とは

転調(modulation)とは、曲の途中で別の調に移る(=調性が変わる)ことです。
また、一時的に行う転調を部分転調といいます。


ここで転調と似たまぎらわしい言葉を整理します。

  • 移調(transposition)
    曲全体の調をシフトさせることです。
    例えば、カラオケでキーを変えるのは移調です。

  • モーダル・インターチェンジ(modal interchange)
    パラレルモードからコードを借りることです。
    パラレルモードとは、ルート音が同じモードのことです。

    借りてきたコードを「モーダル・インターチェンジコード(借用和音)」といいます。

    パラレルモードについて詳しく知りたい方は以下をご覧ください
    【音楽理論】モードとは?モード一覧

    また、転調とは違いモーダル・インターチェンジでは調性は変化しません。

    つまり、「転調」と「モーダル・インターチェンジ」の違いは以下です。
    • 部分転調:調性が変わる
    • モーダル・インターチェンジ:調性が変わらない

    調性が違うと何が違うのかを知りたい方は以下をご覧ください
    【考察】「転調」と「モーダル・インターチェンジ」は違うの?

転調しやすい調

転調しやすい調①:調の音の変化が少ない調

転調したときの調の音の変化が少ないほど、違和感なく転調しやすいです。

転調したときの調の音の変化が少ない調を見つけるには、以下の五度圏(Circle of Fifth)が便利です。

五度圏


五度圏では時計回りに完全5度ずつ、反時計回りに完全4度ずつ調が並んでいます。

また、円の外側が長調(メジャーキー)で、円の内側が短調(マイナーキー)です。

外側と内側の調のペアは平行調の関係になっています。


平行調とは、調を構成する音が同じメジャーキーとマイナーキーのことです。

平行調は調を構成する音が同じなので、平行調には転調しやすいです


また、五度圏で隣り合う2つの調では構成する音が1つ違います。

例えば、CメジャーキーとGメジャーキーで比べてみます。

キーキーの構成音
CメジャーキーCDEFGAB
GメジャーキーGABCDEF#

このように音が1つ違うことが分かります(FF#)。

このように五度圏では隣の調に移るごとに音の違いが1つずつ増えていきます。

五度圏では距離が近い調ほど音の違いが少ないので、転調しやすいです。


五度圏で時計回りに1つ隣(完全5度上)の調を属調、反時計回りに1つ隣(完全4度上)の調を下属調といいます。

「属調」と「下属調」は、本来の調と比べて音の違いが1つしかないので、転調しやすいです。

転調しやすい調②:ルートが同じ調

ルートは調の中で最も安定する音です。

最も安定な音であるルートは、ほかの調内の音を引き付ける性質を持ちます。


ここで、ルートが同じ調を同主調といいます。

同主調は安定する音が同じなので、違和感なく転調しやすいです。


「同主調」と先ほど紹介した「平行調」「属調」「下属調」をまとめて、近親調といいます。

 

転調のパターン一覧

転調のパターンは大きく3つのパターンがあります。

  • 直接転調
  • ピボットコードをつかった転調
  • ドミナントコードを使った転調

それぞれについて具体例を見ていきましょう!

転調パターン①:直接転調

直接転調とは、その名の通り直接別の調に移る転調です。


以下は、Larry Carltonの「Room335」の一節です。

直接転調が行われています。


【Aメジャーキー】

|DM7 C#m7(♭13)|Bm7 C#m7 
→|ⅣM7 Ⅲm7(♭13)|Ⅱm7 Ⅲm7

|DM7 C#m7(♭13)|Bm7 AM7
→|ⅣM7 Ⅲm7(♭13)|Ⅱm7 ⅠM7

|DM7 C#m7(♭13)|Bm7 C#m7
→|ⅣM7 Ⅲm7(♭13)|Ⅱm7 Ⅲm7

|DM7 C#m7(♭13)|Bm7 AM7
→|ⅣM7 Ⅲm7(♭13)|Ⅱm7 ⅠM7

【Cメジャーキー】

|FM7 Em7(♭13)|Dm7 Em7
→|ⅣM7 Ⅲm7(♭13)|Ⅱm7 Ⅲm7

|FM7 Em7(♭13)|Dm7 DM7onE
→|ⅣM7 Ⅲm7(♭13)|Ⅱm7 ⅡonⅢ

 

AメジャーキーからCメジャーキーへ転調しています。

Aメジャーキーの平行調はCマイナーキーです。

そしてのCマイナーキーの同主調はCメジャーキーです。

つまり、近親調の近親調への転調なので、比較的自然な転調となっています。


また、曲の後半で半音や全音上に転調することがよくありますが、これも直接転調です。

転調パターン②:ピボットコードをつかった転調

ピボットコードとは、2つの調で共通するコードのことです。
ピボットコードを使うことで滑らかに転調できます。

以下は、小沢健二の「流動体について」の一節です。

ピボットコードを使った転調が行われています。

【Cメジャーキー】

|FM7|Em7 
→|ⅣM7|Ⅲm7

【B♭メジャーキー】

|E♭M7|Dm7 
→|ⅣM7|Ⅲm7

【A♭メジャーキー】

|D♭M7|Cm7 
→|ⅣM7|Ⅲm7

【B♭メジャーキー】

|F#7|F#7 
|Ⅴ7|Ⅴ7

 

コード進行と各調の関係を表にすると以下です。

 FM7Em7 E♭M7Dm7D♭M7Cm7F#7
CメジャーキーⅣM7Ⅲm7Ⅲ♭M7Ⅱm7   
B♭メジャーキー  ⅣM7Ⅲm7Ⅲ♭M7Ⅱm7Ⅴ7
A♭メジャーキー    ⅣM7Ⅲm7 


青色
のコードがピボットコードであることが分かります。

ちなみにⅢ♭m7は、モーダル・インターチェンジコード(借用和音)です。

モーダル・インターチェンジコードについては以下をご覧ください。
【音楽理論】モーダル・インターチェンジコード(M.I.C)一覧

 

※この転調の解釈は様々あります。

転調パターン③:ドミナントコードを使った転調

セブンスコードを転調先の調のドミナントコード(Ⅴ7)とみなすことで転調することができます。

以下は、マクロスの「私の彼はパイロット」の一節です。

ドミナントコードを使った転調が行われています。

【B♭メジャーキー】

|B♭M7 Cm7|Dm7 Gm7
→|ⅠM7 Ⅱm7|Ⅲm7 Ⅵm7

|Cm7 B♭onD|E♭M7 Cm7onF|B♭7sus4|B7♭
→|Ⅱm7 ⅠonⅢ|ⅣM7 ⅣM7onⅤ|Ⅰ7sus4|Ⅰ7

【E♭メジャーキー】

|E♭M7|Dm7-5 G7|Cm7|
→|ⅠM7|Ⅶm7-5 Ⅲ7|Ⅵm7

|Gm C7|Gm C7|F7sus4|F7
→|Ⅲm7 Ⅵ7|Ⅲm7 Ⅵ7|F7sus4|F7


B♭メジャーキーの下属調であるE♭メジャーキーへの転調です。

 

B♭メジャーキーのときの最後のコードであるB7♭(Ⅰ7)を、E♭メジャーキーにおけるドミナントコード(Ⅴ7)と見立てて転調しています。


ちなみにⅠ7は、モーダル・インターチェンジコード(借用和音)です。


以上、ご覧いただきありがとうございました。

 

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