音楽理論を「学ぶ」のではなく「使う」ためのブログ

コード分析(米津玄師「Lemon」編)

この記事は約7分で読めます。

アーティスト:米津玄師
作詞・作曲: 米津玄師


このシリーズでは名曲の中で音楽理論がどのように使われているかを学ぶことができます。


今回は、米津玄師の名曲「Lemon」のコード分析を行います。

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「Lemon」では、以下の音楽理論を学ぶことができます。

  • ディミニッシュコード
  • セカンダリードミナントコード
  • 偽終止
  • マイナーセブンスフラットファイブ
  • モーダルインターチェンジコード
  • 転調
  • オンコード

それでは分析していきましょう。

ここではダイアトニックコードを理解していることが前提です。ダイアトニックコードを知らない方は以下で勉強しましょう。
ダイアトニックコードとは?コード進行の作り方

コード進行

【Aメロ】

|A♭m F#|E B|E B|Ddim E♭
(夢ならば~)

|A♭m F#|E B|E B|F# B
(忘れた物を~)

|A♭m F#|E B|E B|Ddim E♭
(戻らない~)

|A♭m F#|E B|E B|E♭ A♭m
(言えずに~)

 


【Bメロ】

|D♭m7 A♭m|F# B
(きっとこれ以上~)

|D♭m7 A♭m|E F# B
(ありはしないと~)

 


【サビ】

|E B|F# A♭m|E B|F# E♭
(あの日の悲しみさえ~)

|E B|B♭m7-5 E♭ A♭m
(胸に残り離れない~)

|D♭m A♭m|E F# Fm7-5
(雨が降りやむまでは~)

|D♭m A♭m|E F# B (E♭)
(今でもあなたは~)

 


【Cメロ】

|Fm D♭|E♭ A♭|D♭ A♭|E♭ A♭
(自分が思うより~)

|Fm D♭|E♭ A♭|D♭ A♭|E♭ A♭
(あれから思うように~)

|Fm D♭|E♭ A♭|D♭ A♭|E♭ A♭
(あんなに側に~)

|Fm D♭|E♭ A♭|D♭ A♭|F#
(とても忘れられない~)

|D♭|D♭m D♭monF#

コード進行分析

Aメロ

キーはA♭マイナーですが、便宜的に*Bメジャー(A♭マイナーの平行調)と考えます。
※以降、便宜的なキーに*を付加します

|A♭m F#|E B|E B|Ddim E♭
→|Ⅵm Ⅴ|Ⅳ Ⅰ|Ⅳ Ⅰ|♭Ⅲdim 
(夢ならば~)

|A♭m F#|E B|E B|F# B
→|Ⅵm Ⅴ|Ⅳ Ⅰ|Ⅳ Ⅰ|Ⅴ Ⅰ
(忘れた物を~)

|A♭m F#|E B|E B|Ddim E♭
→|Ⅵm Ⅴ|Ⅳ Ⅰ|Ⅳ Ⅰ|♭Ⅲdim 
(戻らない~)

|A♭m F#|E B|E B|E♭ A♭m
→|Ⅵm Ⅴ|Ⅳ Ⅰ|Ⅳ Ⅰ| Ⅵm
(言えずに~)

コード説明

♭Ⅲdim

ディミニッシュコード(♭Ⅲdim)はⅦ7の代理コードです。

ディミニッシュコードについてはコチラ↓
ディミニッシュコードとは?2つの使い方


そしてⅦ7は次のコードⅢに対するセカンダリードミナントコードコードです。

セカンダリードミナントコードについてはコチラ↓
セカンダリードミナントコードとは?3つの使い方
セカンダリードミナントコード一覧

次のコードⅥmに対するセカンダリードミナントコードコードです。

セカンダリードミナントコードについてはコチラ↓
セカンダリードミナントコードとは?3つの使い方
セカンダリードミナントコード一覧

Bメロ

キーはA♭マイナーですが、便宜的に*Bメジャー(A♭マイナーの平行調)と考えます。

|D♭m7 A♭m|F# B
→|Ⅱm7 Ⅵm|Ⅴ Ⅰ
(きっとこれ以上~)

|D♭m7 A♭m|E F# B
→|Ⅱm7 Ⅵm|Ⅳ Ⅴ Ⅰ
(ありはしないと~)

Bメロのコード進行は、ダイアトニックコードのみなので解説は省きます。

サビ

キーはA♭マイナーですが、便宜的に*Bメジャー(A♭マイナーの平行調)と考えます。

|E B|F# A♭m|E B|F# E♭
→|Ⅳ Ⅰ|Ⅴ Ⅵm|Ⅳ Ⅰ|Ⅴ 
(あの日の悲しみさえ~)

|E B|B♭m7-5 E♭ A♭m
→|Ⅳ Ⅰ|Ⅶm7-5  Ⅵm
(胸に残り離れない~)

|D♭m A♭m|E F# Fm7-5
→|Ⅱm Ⅵm|Ⅳ Ⅴ #Ⅳm7-5
(雨が降りやむまでは~)

|D♭m A♭m|E F# B (E♭)
→|Ⅱm Ⅵm|Ⅳ Ⅴ Ⅰ ()
(今でもあなたは~)

コード説明

Ⅵmに対するセカンダリードミナントコードコードです。

セカンダリードミナントコードについてはコチラ↓
セカンダリードミナントコードとは?3つの使い方
セカンダリードミナントコード一覧

ただし実際はⅥmに進行せず、Ⅳに偽終止しています。

偽終止とはドミナントからトニックに行かないコード進行のことです。
偽終止によってコード進行に意外性を与えることができます。

Ⅶm7-5

平行調のツーファイブを作るためのマイナーセブンスフラットファイブです。

マイナーセブンスフラットファイブについてはコチラ↓
マイナーセブンスフラットファイブ(m7-5)の3つの使い方

#Ⅳm7-5

リディアンモードからのモーダルインターチェンジコード(借用和音)です。

モーダルインターチェンジコードについてはコチラ↓
モーダルインターチェンジコードとは?使い方は?
モーダルインターチェンジコード(借用和音)一覧

マイナーセブンスフラットファイブについてはコチラ↓
マイナーセブンスフラットファイブ(m7-5)の3つの使い方

Cメロ

キーはFマイナーですが、便宜的に*A♭メジャー(Fマイナーの平行調)と考えます。

|Fm D♭|E♭ A♭|D♭ A♭|E♭ A♭
→|Ⅵm Ⅳ|Ⅴ Ⅰ|Ⅳ Ⅰ|Ⅴ Ⅰ
(自分が思うより~)

|Fm D♭|E♭ A♭|D♭ A♭|E♭ A♭
→|Ⅵm Ⅳ|Ⅴ Ⅰ|Ⅳ Ⅰ|Ⅴ Ⅰ
(あれから思うように~)

|Fm D♭|E♭ A♭|D♭ A♭|E♭ A♭
→|Ⅵm Ⅳ|Ⅴ Ⅰ|Ⅳ Ⅰ|Ⅴ Ⅰ
(あんなに側に~)

|Fm D♭|E♭ A♭|D♭ A♭|F#
→|Ⅵm Ⅳ|Ⅴ Ⅰ|Ⅳ Ⅰ|♭Ⅶ
(とても忘れられない~)

|D♭|D♭m D♭monF#
→|Ⅳ|Ⅳm Ⅳmon♭Ⅶ


Cメロの最初にA♭マイナーからFマイナー(短三度下)にドミナントコードを使った転調をしています。

Cメロ前のサビの最後のコードはⅢ(*Bメジャーキー)です。
これをCメロの*A♭メジャーキーにおけるドミナントコードⅤと見立てて転調を行っています。

また短三度下の調は転調しやすいです。

ドミナントコードを使った転調についてはコチラ↓
「転調の方法」と「転調パターン一覧」

 

コード説明

♭Ⅶ

エオリアンモードからのモーダルインターチェンジコード(借用和音)です。

モーダルインターチェンジコードについてはコチラ↓
【音楽理論】モーダルインターチェンジコード(M.I.C)一覧
Ⅳm

エオリアンモードからのモーダルインターチェンジコード(借用和音)です。

モーダルインターチェンジコードについてはコチラ↓
【音楽理論】モーダルインターチェンジコード(M.I.C)一覧

Ⅳm on♭Ⅶ

Ⅳm7の11thの音を最低音にしたオンコードです

オンコードについてはコチラ↓
オンコードとは?3つの使い方
オンコード一覧

度の意味についてはコチラ↓
「音高(ピッチ)」「音程」「度数」とは?違いは?

Cメロからサビに行くときにFマイナーからA♭マイナー(短三度上)にピボットコードドミナントコードを使った転調をしています。

Cメロ最後のコード進行のキー別のディグリーネーム
キーD♭mD♭monF#
*A♭メジャー(Cメロ)ⅣmⅣm on♭Ⅶ
*Bメジャー(サビ)ⅡmⅡm onⅤ

*A♭メジャーにおける「Ⅳm→Ⅳm on♭Ⅶ」というコード進行を
*Bメジャーにおける「Ⅱm→Ⅱm onⅤ」と見立てて転調を行っています。

また短三度上の調は転調しやすいです。

「ピボットコード」「ドミナントコードを使った転調」についてはコチラ↓
「転調の方法」と「転調パターン一覧」

ⅡmonⅤはドミナントコードとして使用できます。詳しくはコチラ↓
オンコードとは?3つの使い方


以上、ご覧いただきありがとうございました。

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