このシリーズでは名曲の中で音楽理論がどのように使われているかを学ぶことができます。
今回は、The Beatlesの名曲「All My Loving」のコード分析を行います。
「All My Loving」では、以下の音楽理論の使い方を学ぶことができます。
- モーダルインターチェンジコード（借用和音）
- オーギュメントコード
- テンションコード
- セカンダリードミナントコード
- 偽終止
それでは分析していきましょう。
ここではダイアトニックコードを理解していることが前提です。ダイアトニックコードを知らない方は以下で勉強しましょう。
ダイアトニックコードとは？コード進行の作り方
コード進行
【Aメロ】
｜F#m｜B7｜E｜D♭m
（Close you eyes～）
｜A｜F#m｜D｜B7
（Remember～）
｜F#m｜B7｜E｜D♭m
（And then while～）
｜A｜B｜E
（And I’ll send～）
【Bメロ】
｜D♭m｜Caug｜E｜E
（All my loving～）
｜D♭m｜Caug｜E｜E
（All my loving～）
以下は2回目のみ
｜D♭m｜D♭m｜E｜E
（All my loving～）
｜D♭m｜D♭m｜E｜E
（All my loving～）
【間奏】
｜A｜A｜E｜E
｜F#m｜B7｜E
コード進行分析
Aメロ
キーはEメジャーです。
｜F#m｜B7｜E｜D♭m
→｜Ⅱm｜Ⅴ7｜Ⅰ｜Ⅵm
（Close you eyes～）
｜A｜F#m｜D｜B7
→｜Ⅳ｜Ⅱm｜♭Ⅶ｜Ⅴ7
（Remember～）
｜F#m｜B7｜E｜D♭m
→｜Ⅱm｜Ⅴ7｜Ⅰ｜Ⅵm
（And then while～）
｜A｜B｜E
→｜Ⅳ｜Ⅴ｜Ⅰ
（And I’ll send～）
| コード | 説明 |
|---|---|
| ♭Ⅶ | ミクソリディアンモードからのモーダルインターチェンジコード（借用和音）です。 モーダルインターチェンジコードについてはコチラ↓ |
Bメロ
キーはEメジャーです。
｜D♭m｜Caug｜E｜E
→｜Ⅵm｜♭Ⅵaug｜Ⅰ｜Ⅰ
（All my loving～）
｜D♭m｜Caug｜E｜E
→｜Ⅵm｜♭Ⅵaug｜Ⅰ｜Ⅰ
（All my loving～）
以下は2回目のみ
｜D♭m｜D♭m｜E｜E
→｜Ⅵm｜Ⅵm｜Ⅰ｜Ⅰ
（All my loving～）
｜D♭m｜D♭m｜E｜E
→｜Ⅵm｜Ⅵm｜Ⅰ｜Ⅰ
（All my loving～）
| コード | 説明 |
|---|---|
| ♭Ⅵaug | オーギュメントコード（♭Ⅵaug）は、Ⅲ7(♭13）の代理コードです。 オーギュメントコードについてはコチラ↓ Ⅲ7(♭13）はⅢ7のテンションコードです。 テンションコードについてはコチラ↓ Ⅲ7はⅥm7に対するセカンダリードミナントコードです。 セカンダリードミナントコードについてはコチラ↓ Ⅵm7に進行しない場合は偽終止しています。 偽終止とはドミナントからトニックに行かないコード進行のことです。 |
間奏
キーはEメジャーです。
｜A｜A｜E｜E
→｜Ⅳ｜Ⅳ｜Ⅰ｜Ⅰ
｜F#m｜B7｜E
→｜Ⅱm｜Ⅴ7｜Ⅰ
以上、ご覧いただきありがとうございました。
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