
オーギュメントコードって何?

オーギュメントコードはどうやって使うの?
この記事では「オーギュメントコードの種類・構成音」「オーギュメントコードの使い方」「オーギュメントコードを使った名曲」を紹介しています。
この記事を読めば、オーギュメントコードを使ったコード進行をびっくりするくらい簡単に作ることができるようになります。
オーギュメントコードとは
※オーギュメントコードの使い方のみ興味のある方は「オーギュメントコードの使い方」をご覧ください。
オーギュメントコードの構成音
オーギュメントコード(aug)とは、長3度(半音4個)で音を重ねて作ったコードです。
長3度など「度数」については以下をご覧ください。
「音高(ピッチ)」「音程」「度数」とは?違いは?
例えば「Caug」の構成音は以下です。
コード | C | D♭ | D | E♭ | E | F | F# | G | A♭ | A | B♭ | B |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Caug | P1 | M3 | aug5 |
オーギュメントコードは長3度(半音4個)で音が重なっていることが分かります。
ちなみに短3度(半音3個)で音を重ねて作ったコードをディミニッシュコードといいます。
ディミニッシュコードついては以下をご覧ください。
ディミニッシュコードとは?2つの使い方
オーギュメントコードの種類
「□aug」の3つの構成音のどの音をルート(P1)にしても、その構成音は長3度(半音4個)で重なったままです。つまり「□aug」になります。
例えば「Caug」の3つの構成音(C、E、A♭)のそれぞれをルート(P1)とした場合、以下の3つの「□aug」になります。
□aug | C | D♭ | D | E♭ | E | F | F# | G | A♭ | A | B♭ | B |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Caug | P1 | M3 | aug5 | |||||||||
Eaug | aug5 | P1 | M3 | |||||||||
A♭aug | M3 | aug5 | P1 |
するとオーギュメントコードは以下の4種類しかないことになります。
- Caug = Eaug = A♭aug
- D♭aug = Faug = Aaug
- Daug = F#aug = B♭aug
- E♭aug = Gaug = Baug
オーギュメントコードの使い方
使用法
以下の表に従って「□7(♭13)」を「□aug」に置き換えることができます。
「□7(♭13)」はテンションコードです。
テンションコードとは?使い方は?については以下をご覧ください。
テンションコードとは?使い方は?メジャーキーで使用できる「□7(♭13)」については記事の後半で説明しています。
□7(♭13) | □aug |
---|---|
Ⅰ7(♭13)、Ⅲ7(♭13) | Ⅰaug = Ⅲaug = ♭Ⅵaug |
Ⅱ7(♭13) | Ⅱaug = #Ⅳaug = ♭Ⅶaug |
Ⅴ7(♭13)、Ⅶ7(♭13) | ♭Ⅲaug = Ⅴaug = Ⅶaug |
Ⅵ7(♭13) | ♭Ⅱaug = Ⅳaug = Ⅵaug |
使用例
それでは「□7(♭13)」を「□aug」に置き換えてコード進行をアレンジしてみましょう!
例①:Ⅲ7(♭13)を□augで置き換える
以下のコード進行をアレンジします。
|CM7|E7(♭13)|FM7|G7
→|ⅠM7|Ⅲ7(♭13)|ⅣM7|Ⅴ7
使用法を参考に「Ⅲ7(♭13)」を「□aug」に置き換えると、以下の3種類のコード進行にアレンジできます。
|CM7|Caug|FM7|G7
→|ⅠM7|Ⅰaug|ⅣM7|Ⅴ7
|CM7|Eaug|FM7|G7
→|ⅠM7|Ⅲaug|ⅣM7|Ⅴ7
|CM7|A♭aug|FM7|G7
→|ⅠM7|♭Ⅵaug|ⅣM7|Ⅴ7
例②:Ⅱ7(♭13)を□augで置き換える
以下のコード進行をアレンジします。
|CM7|Am7|D7(♭13)|G7
→|ⅠM7|Ⅵm7|Ⅱ7(♭13)|Ⅴ7
使用法を参考に「Ⅱ7(♭13)」を「□aug」に置き換えると、以下の3種類のコード進行にアレンジできます。
|CM7|Am7|Daug|G7
→|ⅠM7|Ⅵm7|Ⅱ7aug|Ⅴ7
|CM7|Am7|F#aug|G7
→|ⅠM7|Ⅵm7|#Ⅳaug|Ⅴ7
|CM7|Am7|B♭aug|G7
→|ⅠM7|Ⅵm7|♭Ⅶaug|Ⅴ7
例③:Ⅴ7(♭13)を□augで置き換える
以下のコード進行をアレンジします。
|CM7|Dm7|G7(♭13)|CM7
→|ⅠM7|Ⅱm7|Ⅴ7(♭13)|ⅠM7
使用法を参考に「Ⅴ7(♭13)」を「□aug」に置き換えると、以下の3種類のコード進行にアレンジできます。
|CM7|Dm7|Gaug|CM7
→|ⅠM7|Ⅱm7|Ⅴaug|ⅠM7
|CM7|Dm7|Baug|CM7
→|ⅠM7|Ⅱm7|Ⅶaug|ⅠM7
|CM7|Dm7|E♭aug|CM7
→|ⅠM7|Ⅱm7|♭Ⅲaug|ⅠM7
例④:Ⅵ7(♭13)を□augで置き換える
以下のコード進行をアレンジします。
|CM7|A7(♭13)|Dm7|G7
→|ⅠM7|Ⅵ7(♭13)|Ⅱm7|Ⅴ7
使用法を参考に「Ⅵ7(♭13)」を「□aug」に置き換えると、以下の3種類のコード進行にアレンジできます。
|CM7|Aaug|Dm7|G7
→|ⅠM7|Ⅵaug|Ⅱm7|Ⅴ7
|CM7|D♭aug|Dm7|G7
→|ⅠM7|♭Ⅱaug|Ⅱm7|Ⅴ7
|CM7|Faug|Dm7|G7
→|ⅠM7|Ⅳaug|Ⅱm7|Ⅴ7
理論
理論に興味のある方はご覧ください。理論を知らなくても使うことはできます。
「□7(♭13)」を「□aug」で置き換えることができる理由
「□7(♭13)」を「□aug」で置き換えることができる理由は、コードの構成音が似ているためです。
例えば「Caug」と「C7(♭13)」の構成音を比較してみます。
C | D♭ | D | E♭ | E | F | F# | G | A♭ | A | B♭ | B | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Caug | P1 | M3 | aug5 | |||||||||
C7(♭13) | P1 | M3 | P5 | ♭13 | m7 |
コードの明暗を決める重要な音である3度の音が一致していることが分かります。
さらに、特徴的な増5度(aug5=♭13)の音も一致していることが分かります。
このようにコード構成音が似ているため、「□7(♭13)」を「□aug」で置き換えることができます。
メジャーキーで使用できる「□7(♭13)」
ここでメジャーキーで使用できる「□7(♭13)」を考えます。
「メジャーキーで使用できる主なドミナントコード」と「アヴェイラブルテンション(使用できるテンション)」は以下です。
ドミナントコード | スケール内のアヴェイラブルテンション | スケール外のアヴェイラブルテンション |
---|---|---|
Ⅰ7(セカンダリードミナントコード) | 9th、13th | ♭9th、#9th、# 11th、♭13 |
Ⅱ7(セカンダリードミナントコード) | 9th、#9th、13th | ♭9th、# 11th、♭13 |
Ⅲ7(セカンダリードミナントコード) | ♭9th、#9th、♭13 | # 11th |
Ⅴ7(プライマリードミナントコード) | 9th、13th | ♭9th、#9th、#11th、♭13 |
Ⅵ7(ドミナントコード) | 9th、#9th、♭13 | ♭9th、# 11th |
Ⅶ7(セカンダリードミナントコード) | ♭9th、#9th、# 11th、♭13 |
セカンダリードミナントコードについては以下をご覧ください 。
セカンダリードミナントコードとは?3つの使い方
アヴェイラブルテンションについては以下をご覧ください。
テンションコードとは?使い方は?
この表よりメジャーキーでは上記すべてのドミナントコードを「□7(♭13)」として使うことができます。
ただし、♭13がスケール内のアヴェイラブルテンションである方が自然に響きます。
オーギュメントコードを使った名曲
コチラでオーギュメントコードを使った名曲の分析などを紹介しています。
以上、ご覧いただきありがとうございました。
コメント
[…] ※参考サイト「きっと忘れない」 ※keyは原曲※変化和音について#Ⅳm7-5の機能作曲図書館ミジュオリー音楽理論※オーギュメントコード音楽理論はいらない※フラットファイブうちやま作曲教室 […]
[…] ※コード進行「きっと忘れない」 ※keyは原曲※変化和音について#Ⅳm7-5の機能作曲図書館ミジュオリー音楽理論※オーギュメントコード音楽理論はいらない※フラットファイブうちやま作曲教室 […]
[…] 参考サイト※コード進行「きっと忘れない」 ※keyは原曲※変化和音について#Ⅳm7-5の機能作曲図書館ミジュオリー音楽理論※オーギュメントコード音楽理論はいらない※フラットファイブうちやま作曲教室 […]
IV7b13が見当たりませんが、IVに関しては使用できないのでしょうか?
コメントありがとうございます!
IV7b13でも使用できます。
このページではよく使うと思われる□7(♭13)を紹介しています。