「転調」と「モーダルインターチェンジ」は違うの?
この記事では「転調」と「モーダルインターチェンジ」の違いを説明します。
そもそも転調とモーダルインターチェンジを知らない方は以下をご覧ください。
結論から言うと「転調」と「モーダルインターチェンジ」には以下の違いがあります。
- 転調
調性が変わる。 - モーダルインターチェンジ
調性が変わらない。
「転調」と「モーダルインターチェンジ」は同じ?
転調とは、別のキーに変わることです。
例)「Cメジャーキー」から「Fメジャーキー」に変わる。
一方、モーダルインターチェンジとは、別のモードに変わることです。
例)「Cメジャーキー(Cアイオニアンモード)」から「Cミクソリディアンモード」に変わる。
ここで、「Fメジャーキー」と「Cミクソリディアンモード」のスケールを比べてみましょう。
ⅰ:ルート音 | ⅱ | ⅲ | ⅳ | ⅴ | ⅵ | ⅶ | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
Fメジャーキー | F | G | A | ♭B | C | D | E |
Cミクソリディアンモード | C | D | E | F | G | A | ♭B |
「Fメジャーキー」と「Cミクソリディアンモード」のスケールの構成音は同じであることが分かります。
スケールの構成音が同じなので、そのスケール上で使用できるコードも同じです。
Ⅰ | Ⅱ | Ⅲ | Ⅳ | Ⅴ | Ⅵ | Ⅶ | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
Fメジャーキー (ダイアトニックコード) | FM7 | Gm7 | Am7 | B♭M7 | C7 | Dm7 | Em7-5 |
Cミクソリディアンモード (モーダルインターチェンジコード) | C7 | Dm7 | Em7-5 | FM7 | Gm7 | Am7 | B♭M7 |
「スケール」と「使用できるコード」が同じなら「転調」と「モーダルインターチェンジ」は同じもののように見えます。
「転調」と「モーダルインターチェンジ」の違い
しかし、1つだけ違うところがあります。
モーダルインターチェンジ違って、転調ではルート音(ⅰ)が変わります。
ルート音は、曲の調性(曲の雰囲気)を決めます。
そのためルート音が変わると曲の雰囲気が変わります。
例えば、「Cメジャーキー」と「Aマイナーキー」で比較すると分かりやすいです。
Cメジャーキー | Aマイナーキー | |
---|---|---|
スケール | ドレミファソラシ | ラシドレミファソ |
ルート音 | C | A |
雰囲気 | 明るい | 暗い |
以下のように、どちらもスケールの構成音は同じなのにルート音が違うだけで雰囲気が異なっています。
Cメジャースケール(明るい)
Aマイナースケール(暗い)
ここで再び「Fメジャーキー」と「Cミクソリディアンモード」のスケールを比べてみましょう。
ⅰ | ⅱ | ⅲ | ⅳ | ⅴ | ⅵ | ⅶ | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
Fメジャーキー | F | G | A | ♭B | C | D | E |
Cミクソリディアンモード | C | D | E | F | G | A | ♭B |
「Fメジャーキー」と「Cミクソリディアンモード」のスケールのルート音は、それぞれ「F」と「C」です。
ルートが異なるということは、曲の調性(雰囲気)が異なります。
つまり「Cメジャーキー」から「Fメジャーキー」に転調するときは調性が変わり、CメジャーキーでCミクソリディアンモードにモーダルインターチェンジするときは調性が変わりません。
まとめると「転調」と「モーダルインターチェンジ」の違いは以下であると言えます。
- 転調
調性が変わる。 - モーダルインターチェンジ
調性が変わらない。
以上、ご覧いただきありがとうございました。
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