作曲少女シリーズの第二作目である”作曲少女2~転調を知って世界が変わる私たちの話~”。
一作目で作曲を学んだ女子高生”いろは”が作曲部の立ち上げや学校での中庭ライブを目標に奮闘する物語です。
その過程で一作目よりも高度な作曲方法を学んでいきます。
前作同様、登場人物の女子高生らしい無邪気さが微笑ましいです。
まず本書を読むことで簡単に伴奏付きのなんちゃってアドリブ演奏ができるようになります。
伴奏の付け方は他の本とは異なり、より表現的な部分に重きを置いた方法を教えてくれます。
しかしそれも結局は理論に基づいたものであることはあとで分かります。
”理論はあとからついてくるからまずは音楽を楽しもう”というのは本書が伝えてくれるメッセージのひとつです。
これに限らず全体を通して”表現する”ということに重きを置いています。
例えば転調についてもパターンにとらわれず自分の表現したいことに合わせて転調する、転調は目的ではなく手段であることを説いています。
自分の気持ちを音楽で表現したいという方にはおすすめの本です。
とはいえ表現したいことがない人はどうしたらよいでしょうか?
この作品の中でもそんな悩みを持つ後輩キャラが登場します。
これは実際の読者から寄せられた悩みをモデルにしてるので共感できる方はたくさんいるのではないでしょうか。
彼女がその悩みを克服していく過程がそういった悩みの解決のヒントになるでしょう。
音楽で表現したいことがないことを悩んでる方にもおすすめの本です。
また本書では詞先の作曲についても扱っています。
具体的な説明はありませんが、登場人物が詞先での作曲を行うところが描写され、そのプロセスを覗き見ることでその方法を学ぶことができます。
これは一旦完成した曲をよりメッセージに沿ったものにアレンジする際にも役に立つ学びでしょう。
最後に本書でとてもいいなと思ったメッセージを紹介します。
それは”作曲は小さくてもいいから完成させることで経験値が溜まっていく”というものです。
本書ではこれを実践するためのジングルゲームや2時間作曲ゲームというものを紹介しています。みなさんも挑戦して作曲の筋肉をつけていってください。
ご興味のある方は是非お手に取ってみてください。
コメント