アドナインスとナインスって何が違うの?
アドナインスとナインスってどうやって使うの?
今回はこれらの疑問を解決し「アドナインス」と「ナインス」を使いこなせるようになりましょう!
ある簡単なルールに従うだけなので簡単ですよ!
「アドナインス」と「ナインス」の違い
※「アドナインス」と「ナインス」の使い方だけ知りたいという方は、ここを飛ばしても問題ありません。
アドナインスとは
アドナインスは、3和音に9th(長2度)の音を加えたコードです。
ちなみに9thとはコードのルート音から数えて9th(長2度)ということです。
「長2度」など度数については、以下をご覧ください。
音楽初心者必見!音程・音高・度数の違いをわかりやすく解説
例えばルート音がCの場合、9th(長2度)の音はDです。
C | D♭ | D | E♭ | E | F | F# | G | A♭ | A | B♭ | B |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
P1 | 9th |
アドナインスは2種類あります。
- アドナインス:add9
メジャーコード(長三和音)に9thを加えたコード - マイナーアドナインス:madd9
マイナーコード(短三和音)に9thを加えたコード
コード | C | D♭ | D | E♭ | E | F | F# | G | A♭ | A | B♭ | B |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Cadd9 | P1 | 9th | M3 | P5 | ||||||||
Cmadd9 | P1 | 9th | m3 | P5 |
ナインスとは
ナインスは、4和音に9thの音を加えたコードです。
ナインスは3種類あります
- メジャーセブンスナインス:M7(9)
メジャーセブンスコード(M7)に9thを加えたコード - マイナーセブンスナインス:m7(9)
マイナーセブンスコード(m7)に9thを加えたコード - セブンスナインス:7(9)
セブンスコード(7)に9thを加えたコード
コード | C | D♭ | D | E♭ | E | F | F# | G | A♭ | A | B♭ | B |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
CM7(9) | P1 | 9th | M3 | P5 | M7 | |||||||
Cm7(9) | P1 | 9th | m3 | P5 | m7 | |||||||
C7(9) | P1 | 9th | M3 | P5 | m7 |
「アドナインス」と「ナインス」の違い
アドナインスとナインスの違いを説明するために、例としてルートがCのときの「アドナインス」と「ナインス」の構成音を比較します。
「アドナインス」と「ナインス」の違いは7度の音(M7、m7)の有無のみであることが分かります。
コード | C | D♭ | D | E♭ | E | F | F# | G | A♭ | A | B♭ | B |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Cadd9 | P1 | 9th | M3 | P5 | ||||||||
CM7(9) | P1 | 9th | M3 | P5 | M7 | |||||||
C7(9) | P1 | 9th | M3 | P5 | m7 |
コード | C | D♭ | D | E♭ | E | F | F# | G | A♭ | A | B♭ | B |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Cmadd9 | P1 | 9th | m3 | P5 | ||||||||
Cm7(9) | P1 | 9th | m3 | P5 | m7 |
「アドナインス」と「ナインス」の使い方【実践編】
「アドナインス」と「ナインス」の使い方
以下の表に従ってメジャーキーのダイアトニックコードを「ナインス」または「アドナインス」に置き換えるだけで使うことができます。
ダイアトニックコード:3和音(4和音) | アドナインス | ナインス |
---|---|---|
Ⅰ(ⅠM7) | Ⅰadd9 | ⅠM7(9) |
Ⅱm(Ⅱm7) | Ⅱmadd9 | Ⅱm7(9) |
Ⅳ(ⅣM7) | Ⅳadd9 | ⅣM7(9) |
Ⅴ(Ⅴ7) | Ⅴadd9 | Ⅴ7(9) |
Ⅵm(Ⅵm7) | Ⅵmadd9 | Ⅵm7(9) |
置き換えのポイントは以下です。
- メロディによっては9thの音が合わないことがあるので、自分の耳で確かめる。
- サウンドの特徴(以下)に合わせて「アドナインス」か「ナインス」を選択する。
- アドナインス:3和音(はっきりした明暗)+9thの音(浮遊感)
- ナインス:4和音(やわらかい明暗、おしゃれ感)+9thの音(浮遊感)
アドナインスの使用例
以下のコード進行を考えます。
|C|Dm|G|C
→|Ⅰ|Ⅱm|Ⅴ|Ⅰ
これを以下のように置き換えることができます。
|Cadd9|Dm|G|C
→|Ⅰadd9|Ⅱm|Ⅴ|Ⅰ
ナインスの使用例
以下のコード進行を考えます。
|CM7|Dm7|G7|CM7
→|ⅠM7|Ⅱm7|Ⅴ7|ⅠM7
これを以下のように置き換えることができます。
|CM7|Dm7(9)|G7|CM7
→|ⅠM7|Ⅱm7(9)|Ⅴ7|ⅠM7
「アドナインス」と「ナインス」の使い方【理由編】
理論的な部分に興味のない人は飛ばしてください。
ナインスが使える理由
あるコードXの9thの音がアヴェイラブルテンションの場合、Xに9thの音を加えたナインスX(9)を使うことができます。
アヴェイラブルテンションとは、あるコードで使用できるテンションのことです。
アヴェイラブルテンションの導出方法については、以下をご覧ください。
テンションコードとは?使い方は?
メジャーキーの「ダイアトニックコード」とその「アヴェイラブルテンション」は以下です。
ダイアトニックコード | アヴェイラブルテンション(スケール内) | アヴェイラブルテンション(スケール外) |
---|---|---|
ⅠM7 | 9th、13th | |
Ⅱm7 | 9th、11th、(13th) | |
Ⅲm7 | 11th | |
ⅣM7 | 9th、(#11th)、13th | |
Ⅴ7 | 9th、13th | ♭9th、#9th、#11th、♭13th |
Ⅵm7 | 9th、11th | |
Ⅶm7-5 | 11th、♭13th |
9thがアヴェイラブルテンションであるダイアトニックコードは、ナインスコードとして使うことができます。
ダイアトニックコード | ナインス |
---|---|
ⅠM7 | ⅠM7(9) |
Ⅱm7 | Ⅱm7(9) |
ⅣM7 | ⅣM7(9) |
Ⅴ7 | Ⅴ7(9) |
Ⅵm7 | Ⅵm7(9) |
アドナインスが使える理由
前述のとおり「アドナインス」と「ナインス」の違いは、7度の音(M7、m7)の有無のみです。
そのため「アドナインス」を「ナインス」の代理コードと考え、使うことができます。
ナインス | 代理アドナインス |
---|---|
M7(9)、7(9) | add9 |
m7(9) | madd9 |
「アドナインス」と「ナインス」を使った名曲
以下で「アドナインス」や「ナインス」を使った名曲の分析などを紹介しています。
以上、ご覧いただきありがとうございました。
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